座標軸測定への案内
CMMを理解する:座標系
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我々は計測器の動きの表現に座標系を使います。有名なフランスの哲学者で数学者であるルネ・デカルトにより1600年初期に発明された座標系により、他の形状と相対的に形状を位置づけることができます。
座標 系は高度マップによく似ています。地図の端に沿う文字の組み合わせと、一緒の数字、至る所に高度の表示は、地図上の位置を独創的に説明しています。 この文字/数字/高度の組み合わせが、座標と呼ばれ、他に相対した特定の場所を表わしています。
もう一つの例は、建物を表示した街路の地図です。駅(原点)からリッツホテルの部屋まで歩くのに、エルムストリートを2ブロック、メイプル通りを4ブロック歩きます。この位置は、機械上のX,Y,Z軸の呼応して地図上の座標の4-E-3でも表すことができます。これらの座標は、地図上で他にはない、あなたの部屋を独創的に表します。
三次元測定機(CMM)は、地図座標を指でなぞるのと、同じ働きをします。その三軸は、機械の座標システムを形成します。指ではなく、CMMはプローブを使って部品の点を計測します。点のそれぞれが、機械の座標系にたいして他に存在しない唯一のものです。CMMは、計測点を組み合わせ、他の形状に相対的となる形状を形成します。
座標系:機械座標系
座標系:部品座標系
コンピュータソフトが座標測定に導入される以前は、部品を物理的に機械の軸に対して平行に揃えていました。よって、機械座標系と部品座標系は互いに平行でした。これは時間を多く費やして、あまり正確ではありませんでした。部品が丸く、窪んでいる場合は、計測作業はほぼ不可能でした。
座標系:アライメントとは何か?
今日のCMMソフトウェアで、CMMは、部品のデータ(部品のプリントから)を計測して部品座標系を確立して、数学的に機械座標系に関連付けます。二つの座標系を関連付けるプロセスがアライメントと呼ばれます。手にした街路地図で、地図を回すことで、自動的に行います。よって、それは、道路(データ)に、あるいは、コンパス方向(例えば北)に平行です。我々がこれを行う場合実際に、”世界の座標系”に自身を位置づけていることになります。
データとは?
例として、鉄道の駅(原点)からレストランへ行くのに、エルムストリート(データ)を2ブロック、北へ歩き、右に折れて、メープル(データ)を、東へ2ブロック行きます。 計測では、データは、穴や、表面、溝などの部品の形状です。ひとつの形状から別へ、距離を決定するために、部品を計測します。
変換とは何か?
街路マップに換えて説明すると、ホテルに到着するやいなや、町の有名レストランで食事をすることに決めます、マップでそこを見付ける必要があります。今度は、ホテルが新しい出発点 、または原点になります。今の位置を知ることによって、地図を見ることで、そのレストランに着くには、メイプルストリートを西に2ブロック行く必要があることを知ることができます。
ローテーションとは何か?
全く同じ手続きを部品(図10)に適用します。部品上の二つの穴の間の距離は、当初の原点が、より小さい穴に変換、部品座標系が数学的に45度回転した場合、測定可能です。これで、穴の両方が新しいY軸に沿って横たわり、距離も自動的に計算が可能です。
測定と構築された形状
その他の形状、例えば距離や、対称性、交差、角度、突起などは 直接計測することはできませんが、値が決定する前に、測定された形状から 数学的に構築されなければなりません。これらは構築形状と名付けられています。図 11で、中心線の円は四つの測定円の中心点から構築されています。
構築形状
体積補正とは何か?
この件に関しては、三次元測定器も他の製品と変わりません。極めて厳しい許容値で作られていますが、精度に影響する構造にエラー(ロール、ピッチ、ヨー、真直度、直角度、寸法エラー)があります。 製造公差がますます厳しくなる反面、CMMもさらに高精度になることが必要です。
CMMの不正確精度の大半は、CMMのコンピュータで自動的に修正ができます。一旦、すべてのCMMの形状エラーが測定されると(エラーマッピングと呼ばれる)、エラーは最少化、または、CMMのソフトウェアにある強力なアルゴリズムで除去もできます。このテクニックは、体積エラー補正と呼ばれています。
体積補正は地図とコンパスの関係で考えると一番理解できます。具体的にある地点に航海した場合、現地点(原点)からの実際の方向を知る必要があります。コンパスと地図が方向を決定するのに用いられます。しかし、実際の北と磁気の北に差があります。その差は変位と呼ばれ、地球の磁場の不一致性が原因です。よって地点から地点の実際の方向を求めるために、実際の北と磁石の北の差異をコンパスの方位から加減をせねばなりません。
表示の地図で、本当の北と磁気の北(3°W)との差は補正されなければなりません。さもないと航海士は、目的のゴールの北西に行ってしまいます。そして最終目的地の前に座礁してしまいます
三次元測定器は同じような補正を自動的に行い、測定から機器の差異を取り除きます。
プローブチップとプローブ補正の認定
我々は、車を駐車する場合、同じ手続きをします。車の外部からのオフセットをうまく予想すればするほど、縁石により近く駐車できます。
投射
ひとつの部品形状をべつの物に投射することは、従来の”平面”の世界地図(メルカトール投影)の作成と比較することができます。平面地図は、地球儀(球体)を円筒に投影することで作成します。
自動車のシリンダ測定(例:エンジンブロック)計測では、ヘッド正面の平面に投影により、いかにはめ合い部品が結果的にしっかりフィットするかを測定できます。ピストンがいかにシリンダ内にフィットするか、またいかにヘッドの燃料室といかに合致するか正確に決定できます。
最小数の三点が、円の径を測定するためにが必要です。それらの点が穴の頂上からの距離と同じではない場合、測定径は楕円として表示されます。この不実の表示に打ち勝つために、測定データが、シリンダの中心線に垂直な面に投影します。結果は部品形状の実際のサイズを正確に決定します。
効果的なプローブテクニックの使用
部品を検査する場合に、効果的なプローブのテクニックを使うことで普段起こりえる測定エラーを減らすことができます。例を挙げると、可能な限り部品に垂直にして、プローブ測定を実行すべきです。三次元測定器に使用されるタッチトリガープローブの結果は、プローブボディに垂直な部品がプローブの先端に触れるときに、最適の結果がでるように設計がされています。プローブ先端のスベリを避けるため、垂直から±20°以内に当てるのが理想です。
プローブが当たる表面
プローブ本体に平行した、即ちスタイラスの軸に沿ったプローブの当たりは、軸に垂直の当たりのように、繰り返しができません。
効果的なプローブテクニックを使う
シャンキングは、測定エラーのもう一つの原因です。(図 20). スタイラスの先端でなく、シャンクでプローブが部品に触れる場合、測定システムは、接触は正常と想定して大きなエラーが起こります。
効果的なプローブテクニックを使う
ボール/脚と部品表面の間隔を大きく取れる径の大きい先端を使用することによって、シャンキングを減らすことができます。 一般的に先端径が大きいほど、スタイラスが部品の測定部に接触するまで、より深く進めることができます。これはプローブの有効作業長とよばれます。(図21)また先端が大きいほど、部品の表面仕上げに影響が少ないのは、測定部の広い範囲に接触点が分散するからです。しかし先端の最大径は、測定される最少穴のサイズによって制限されます。電子プローブで取得した測定点は、スタイラスが機械的接触を遮断するまで屈折するか、感圧回路を始動する力を発生する場合に、記録されます。校正時に減少するものの、物理的に接触を操作すると精度に若干のエラーを発生します。 しかし先端の延長が長いほど、走行以前のエラーは大きく、プローブ校正後も残存エラーが増えます。長いプローブは、短いものに比べ丈夫ではありません。スタイラスが曲がったり、屈折したりするほど、精度は落ちます。長いスタイラスとエクステンションの組み合わせは避けるべきです。
幾何寸法と 公差
幾何寸法と公差 (GD&T) は、世界共通の記号の言語であり、ドライバーに道路の走り方を教える道路標識の国際的システムによく似ています。 GD&Tの記号より、設計エンジニアは精度よく製造され、検査ができるように、正確かつ論理的に部品の形状を記述することができます。GD&Tは 機能コントロールフレームにおいて表現されています。機能コントロールフレームは、左から右へ読める基本的な文章のようなものです。例えば、説明付の機能コントロールフレームは、次のように書いてあります。5ミリ平方の形(1)は、本来のデータA(5)とデータB(6)に関連して0.05mm(4)の全体(2)の輪郭公差(3)で支配されています。形と公差が生産の変動性を決定します。部品とその形状を定義する、幾何学的要素と呼ばれる七つの形があります。その形とは、点、線、平面、円、円筒、円錐、球です。また部品の状態や、形状の関連性を決定する一種の幾何学的特徴があります。
これらの幾何学的記号は、地図で特徴を表示するのに使用されている記号と似ています。例えば、2レーンや4レーンの幹線道路、橋、空港などです。アメリカの道路で頻繁に見られる、国際道路標識のようです。これらの記号の目的は、誰でも理解できる共通の言語を形成することです。
幾何学的特徴の記号
- 真直度 — すべての点が真っすぐな線にあり、二本の平行線により形成したゾーンで特定した公差
- 平面度 — 表面のすべての点が、ひとつの平面にあり、二本の平行線で、形成したゾーンで特定した公差
- 真円度または、真円形度 — 表面のすべての点が円になっています。公差は、ふたつの同心円で境界されるゾーンによって特定されます。
- 円筒度 — 回転の表面のすべての点が共通の軸から同等距離です。円筒度公差が、範囲内で表面が横たわるべきふたつの同心円の円筒により境界となる公差ゾーンを特定します。
- 輪郭 — 不規則な表面や線、円弧、通常の平面を制御する公差の方法です。輪郭は個々の線要素あるいは部分の表面全体に適用できます。輪郭公差は、範囲内に表面の要素が横たわるべき実際の輪郭に沿って、統一の境界を特定します。
- 傾斜度 — データの平面あるは軸から特定の角度(90°以外)での表面あるいは軸の状態です。公差ゾーンは規準の平面あるは軸から特定の基本的な角度で、ふたつの平行平面によって定義されます。
- 垂直度 規準の平面あるいは軸に対し直角での表面または軸の状態です。垂直度公差は次のひとつを特定します。基準の平面または軸に対し垂直のふたつの平面により、定義されたゾーンまたは基準軸に対し垂直のふたつの平行平面により定義されたゾーンです。
- 平行度 — 基準の平面あるいは軸からすべての点で同距離の表面または軸の状態です。平行度公差 は、次のひとつを特定します。基準の平面または軸に平行なふたつの平面により定義されるゾーン、あるいは基準軸に対し軸が平行な円筒の公差ゾーンです。
- 同心度 — 回転の表面のすべての横断面の要素の軸は、規準の形状の軸に共通です。 同心度公差は軸が基準軸と同じである円筒の公差ゾーンを特定します。
- 位置 — 位置の公差は、中央軸または中央平面が実際の(理論的に正確)な位置から変わることが許されるゾーンを定義します。基本の寸法は、規準形状と相互関連形状間からの実際の位置を確立します。位置公差は、その実際の位置に関する形状の位置での総合的な許容変化です。 穴や外径などの円筒の形状については、位置公差は、一般的に形状の軸が置かれるべき公差ゾーンの外径です。溝やつまみのような円形でない形状に関しては、位置公差は形状の中央平面が横たわるべき公差ゾーンの全部の幅です。
- 円の振れ — 表面の円の要素の制御を提供します。部品が360°回転するため、公差は、どの円の測定位置でも個別に適用されます。基準の軸の回りに構築された表面に適用される円の振れの公差は、真円度と同軸度の蓄積偏位を制御します。基準軸に対し 直角で構築された表面に適用された場合、平面の円形の要素を制御します。
- 全体の振れ — すべての表面要素の複合の制御を提供します。部品が360°回転するため公差は、同時に円形と長手方向の要素に適用されます。 全体の振れは、規準の軸の回りに構築された表面に適用された場合、真円度や円筒度、真直度、同軸度、傾斜度、テーパー 、輪郭の制御をします。基準に対し直角で構築された表面に適用された場合、垂直度と平面性の蓄積のバラツキを制御します。